三振前のバカ当たり

競馬のブログです。中央地方(主に南関重賞をメイン)海外問わず予想していきます。◎はとりあえず馬券圏内ならという消極的考えの元、それぞれ予想の根拠をつらつら書きながら楽しみたい、そんな感じのブログです。

有馬記念全頭分析!(前編)

初めての試みです。
ちょっと前に友人が有馬記念を買うと言ってたこともあり、私自身もブログを書いていることから、今回自分なりに各馬どういう評価をしているか、の意味も込めて、有馬記念に出てくる全頭を評価してみたいと思います。

枠順次第では大きく評価が変わることもありますが、枠が出る前での評価であることをご承知おきください。

ちなみに、水曜時点でハッピーグリン以下の賞金の馬が除外対象ですので、除外対象の馬についてはコメントいたしません。

あいうえお順でやっていきます。




有馬記念出走馬


オジュウチョウサン


今年の有馬記念の一番の注目馬と言っても過言ではないでしょう。障害レースの王者が有馬にっていうことで、平場の賞金的に格上挑戦だった開成山特別に出走して先行押し切りで勝利し、南部特別も格上挑戦でしたが、押し切りました。
平場のレースを連勝して、ファン投票3位ということもあり、出走に漕ぎつけ、鞍上も武豊Jということで、おそらく応援馬券で一桁台の単勝オッズになるでしょう。

さて、フラットな目線でこの馬を捉えると、血統は父ステイゴールドなので、有馬記念にはもってこいですね。脚質的にも前に行く馬なので、その点もいいでしょう。ここまでならば、本命に推してもいいくらいの要素です。

しかしながら、平場の2戦はレベルが高かったとは言えず、前走南部特別は1000万条件ですが、少頭数で、勝ちタイムも2分25秒台と、東京コースであることを考えれば、それが1000万ならばいいですが、このレースはオープン、G1レースであるので、やはり絶対的スピードは並み居る強豪馬相手だと劣ると思われます。
年齢が年齢だけに、スピードの上積みも考えにくく、スタミナやパワーはあるんでしょうが、もし、有馬記念というレースがそういう馬で来るレースだとすれば、ステイヤーズステークス組は何度馬券に絡んでもおかしくありません。しかしながら、単純なパワー、スタミナだけではどうにもならないのが有馬記念であり、押し切るには難しいと思われます。

また、体質面もどうかなと思います。今回は調教本数を増やしたそうですが、開成山特別のあとも一度次走をキャンセルして、4ヶ月ほど空けての出走ででした。
今年の中山グランドジャンプも、本来は一叩きして使う予定が、体調が整わずぶっつけになりました。押し寄せる年齢には勝てなくなってきた印象です。
その馬が中8週で大丈夫なのかというところもあります。
走れたとしても、次走への反動が怖いですね。

以上の点を踏まえても、オジュウチョウサンには頑張ってもらいたいところですが、厳しいと思います。



キセキ


この馬の取捨がとても難しいです。能力というか、調子自体は菊花賞の時か、その上に行くくらいまでになったことでしょう。毎日王冠での3着に粘ったことが、天皇賞でフロックではないことを証明し、ジャパンカップでは世界レコードのレースで最後まで粘ったのですから大したものです。ジャパンカップに関しては確かに位置取りゲームであったことは否めないですが、前に行ったらしぶとく、スピード決着も対応できたということを完全に証明した格好となりました。
能力と、過去3走からだけだと、今回レイデオロに最も太刀打ちできる相手なのではないかと思えるところです。しかし、この馬はいくつか不安があります。

まず、有馬記念を走るということになると、この秋で関東へ4回輸送することになります。栗東から関西圏の競馬場に行くくらいの短距離ならともかく、はるかに遠い関東圏、それも今回は中山ということで、五十歩百歩ではありますが、輸送距離が延長されます。輸送減りはそこまでしない馬ですが、関東に4回も遠征になるのは割引材料ではないかと思います。4回の遠征よりは、秋4戦目での消耗具合のほうが気になるところでもあります。
また、父ルーラーシップ、母父ディープインパクトという血統ですが、ルーラーシップは引退レースとなった最後の有馬記念では3着に来たものの、他の年ではいずれも馬券圏外に飛んでます。ルーラーシップ自身が差し馬だったこともあり、直線が長いコースのほうが実績があります。パワーのある差し馬ということで、その点は中山は悪くないと思いますが、それにディープインパクトだと、逃げ・先行馬とは言え、中山向きではない可能性もあります。
戦績が左回りに偏っているのも、どうなのかなと思います。

ということで、最後まで取捨が難しい一頭になると思います。



クリンチャー


凱旋門賞17着からの転戦となります。調子自体は落ちてなかったので、今回有馬記念を使う運びになったのでしょう。前に行ける脚質はいいと思います。

しかし、父ディープスカイでは、ダート馬がたくさん出ているように、パワー型の馬が多く、この馬も不良馬場の菊花賞を10番人気で2着、重馬場の京都記念を勝ちました。そのあとも阪神大賞典天皇賞春を3着でしたが、スピード<パワーに偏りすぎていて、週の初めに雨が降ったとはいえ、その後は一切雨が降らず、有馬記念までに影響するとは言えないので、単純にスピード負けするのではないかと思います。器用さはあると思いますが、厳しい戦いを強いられそうなイメージです。



サウンズオブアース


2015年の有馬記念2着馬です。幾度となく、重賞やG1では惜しい競馬が続いてきましたが、去年からは馬券圏内に絡むことができていません。芝馬なら早熟傾向にある父ネオユニヴァースということを考えても、さすがに7歳という年齢には勝てなくなってきた印象があります。今回がラストランのようですが、どうやら「主な勝ち鞍:はなみずき賞(3歳500万)」で引退ということになると思います。



サクラアンプルール

サクラメガワンダーの半弟です。この馬も7歳で高齢馬です。去年はG2札幌記念を勝利したり、今年の春は有馬記念と同じ条件のG2日経賞を2着としていますが、この馬は初めてのオープン、重賞勝ちが去年の札幌記念だったこともあり、たたき上げで去年、ようやく開花といったところです。ただ、G1となると5着以内にすら来たことがなく、G1だと敷居が高い印象です。



サトノダイヤモンド

この馬もこのレースで引退です。額にダイヤモンドの流星があり、結構ファンも多い馬ですので、当日も単勝は売れるでしょう。
2年前の有馬記念の勝ち馬で、その時の2着馬はキタサンブラックでしたね。3歳時は皐月賞3着、ダービー2着、そして菊花賞が1着、返す刀で挑んだ有馬記念を制しました。年が明けて、阪神大賞典も勝ちましたが、天皇賞春は距離が長く、直線伸び悩み3着。そこからフランス2戦を挟みますが、この馬はこのフランス遠征が調子を狂わせたといっても過言ではありません。おそらく、日本仕様のすらっとした馬体から、フランス仕様のムキムキの馬体にしたことで、本来持ち合わせていたスピードやキレが失われたのでしょう。
今年の3月の中京で行われたG2金鯱賞も、人気を背負いながら直線は本来の伸びがなく3着、そして、G1大阪杯は全くいいところがなく7着でした。G1宝塚記念は3、4コーナーで上がっていったときは期待を持ちましたが、結局そこまでで6着と、本来のサトノダイヤモンドではありませんでした。
しかし、10月に行われたG2京都大賞典では久々に勝利しました。その後挑んだジャパンカップでは、3番人気であったものの、6着に敗退しています。

京都大賞典自体は正直なところ、メンバーレベルが低く、本来得意コースであるはずの、東京競馬場で行われたジャパンカップは、いくら時計が速すぎたとはいえ、全く目立ったところもなく敗れています。前述しましたが、フランス仕様に馬体が一度チューンアップしてしまったことで、この馬の良さが失われてしまった印象です。
今回は3歳の時に勝利した舞台ですし、メンバー的には3歳の時の有馬記念のほうが上位陣は強かったかもしれません。時計がかかる舞台であるので、そういう点でも今のサトノダイヤモンドにはいいでしょう。しかしながら、今のサトノダイヤモンドは3歳の時の輝いていたサトノダイヤモンドとは言えず、有馬記念は過去に「奇跡の復活」といわれたトウカイテイオーのレースや、感動のラストランとなったオグリキャップがいましたが、今の日本競馬はあまりロマンを求められるものでもないので…。といったところです。



シュヴァルグラン

この馬は逆に、このレースで引退予定が、引退撤回された口になります。前走は、本来タッグを組むはずだったボウマン騎手が、短期免許でこの馬に乗る前に騎乗停止を食らってしまい、乗り替わりになってしまいました。
元々乗り難しい馬で、今まで乗った騎手が「足の使いどころが難しい」と口をそろえて言っていた中、昨年のジャパンカップではボウマン騎手が見事な手綱さばきでG1馬に導き、その後のG1レースも好走させてきたので、ボウマン騎手が一番手が合うものと思われます。実際、今年の天皇賞春も、この馬に乗るためにオーストラリアから短期免許できたようなもので、今回も同様ですから。

ただ、この馬も今年は目立った成績を上げていません。秋2戦も4着2回ですし、ボウマン騎手云々に関わらず、少し足りないという、以前のシュヴァルグランのような感じが出てきています。
本質的には中山は向いていない印象ですが、秋3戦目、今回ボウマン騎手が乗ってどうなるかというところです。有馬記念好走歴はありますし、去年は不利もあった中での3着、巻き返す可能性はあるでしょう。



スマートレイアー

29日に行われる、大井の東京大賞典と両にらみでしたが、スマートレイアーによく乗っている武豊騎手が香港で騎乗停止を食らい、その影響で東京大賞典に騎乗することができなくなったことで、有馬記念にしたのでしょう。
この馬は8歳で、さすがに今年の戦績から見ても、もうこれ以上の上積みはないでしょう。牝馬戦線でもG1じゃ少し足りないみたいなレースもあり、幾度とG1で人気を背負って、G1馬になるチャンスがありましたが、残念ながらG1をとることができませんでした。
今回も正直厳しいと思います。というか、おそらく血統的に種付けする馬が少なく、難しいからかもしれませんが、もう引退させて繁殖入りさせてほしいと思います。

というか、この馬が東京大賞典に行ってくれたら、ハッピーグリンが出れたのに…。




まず、出走予定馬のあいうえお順前半8頭をピックアップしました。
後半は木曜午前に更新したいと思います。

ぜひご覧ください。



(追記)
後編はおそらく有馬記念の枠順が決まったあと、午後7時頃の更新になると思われます。
遅れてしまい申し訳ありません。